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今回は見てくれてい方に質問するような形になるのですが、「あなたの使命感はなんですか？」という事についてお話していこうと思います

使命感というのは自分で会社を立ち上げた方というのは何らかの突き上げるような使命感があって会社を創ったと思うんですよね。それが何なのかという事はすごく大事なことです。それを経営者自身が言葉にして、社員に伝えていく必要があると思います。中小企業の場合、経営者の使命感＝会社の使命感だと思うので、そこをブレない事が大切ですよという事です

僕の使命感は「日本という国を強くする」というのが根本にある使命感です。元々僕はデザイナーとしてスタートしていますが、その時は使命感が薄かったと思います。かっこいいデザインで自分の創作意欲を満たしたいというのがそもそもの出発点です。それを仕事にすれば幸せなんじゃないかと思ったのがきっかけです。しかし、段々仕事をしていて感じるようになったのが自分が満足するためだけにデザインをやっても満足しなくなったんです。自分の命を削って仕事をしているけど自分が満足するものを作っても何か欠乏感があるなと感じていました

だから、どこに原因があるのか一時期、自問自答していました。「自分が・・自分が・・」みたいな部分が欠乏感の原因だったのではと思うようになりました。ご縁があってお客様がすごく喜んでくれている場面に立ち会うことがあり「すごく儲かりました」と言われたその先を想像していました。儲かったらその会社は税金をたくさん納めてその税金が有効に使われて誰かの役に立ったことを想像すると結構カタルシスだと感じるようになったんです。それから僕はデザインがどうのこうのよりも、その先でクライアントを儲けさせてその結果日本の国益に寄与するのであればそれが一番面白い、とモチベーションが変わりました

そのころ僕は経営者になっていて自分でデザインをすることもなく、プロデューサーとしてうまくプロジェクトを導くような仕事をするようになっていました。そうすると自分で何か創っているわけではないので満足感が無くなってきたんですよ。経営者ポジションの人は自分で手を動かして創っているわけではないのでどこで満足するかと言ったら、自分で創らないといけないです。だから僕の場合は自身の使命感が達成できた時が仕事をやっていて良かったと感じる瞬間だったんです。そしてこの使命感は自分の全てのスタッフにも持っていて欲しいなと思います

例えばうちのアートディレクターに「あなたの使命感はなに？」と聞くと「日本のビジュアルデザインに対する教養度を上げたい」と言っていました。それに向かって仕事をしていると思ますが、人それぞれ自分の使命感、会社の使命感をしっかり統合した上で組織は経営されていくべきだとここ10年くらいは思っています

僕は学生の頃スポーツをやっていて、突然グラフィックデザイナーになりたいと思い、何とか拾ってもらいました。そしてどんどんキャリアアップしていく途中ですごくぬるい考えを持っていた時期があったんです。「先輩に指導してもらえればいいや」と自分で分かるところまで仕上げたものを提出した時に、ある社外の人に「これは井上くんの100％なの？全力でこれなの？」と言われて「7割くらいです」と答えたら「100％じゃないのに持ってくるなよ、おれの時間をそれに使おうなんて思うなよ」と言われたんです。そこで「確かに僕は先輩のあなたの時間を無駄にしてましたね」と思ってそれからは100％やって上で、それ以上にジャンプさせたいから先輩に力を貸してくださいというスタンスで仕事をするようになったんです

そうすることで自分の使命感も上がってきました。これまでは自分がカッコいいデザイン作れればいいなと思っていたものが、これだけ自分の命を削って作ったものがクライアントの利益を生んでそれが巡り巡って国内の役に立っているのなら、それだったらこれだけ努力する価値があると自身の中でうまく腹落ちすることができした。それが使命感を意識するようになったキッカケですね

そうですね。仕事をしていると辛い事ばかりだと思いますが、達成すべきものがあるから困難を困難と認識しなくて超えていけると思います。使命感があるから、ハードルをハードルと感じないし、壁を壁と感じず前に進むことが出来ます。どうやってクリアしようかな、ワクワクみたいな気持ちで僕は何事も取り組んでいます。それが出来るのは一番上に使命感があるからそういうふうに出来ているのではないかと思います